突然ですが、パソコンが壊れた時って、どうしていますか?
ネットで検索して修理に出したら、見事に悪徳業者を選んでしまいました。修理もできず、パソコンが手元に戻るかどうかもわからない不安な日々を過ごしています。
冷静に振り返ると、引き返すポイントはたくさんあったし、悪徳業者であることを窺わせる場面もたくさんありました。
なぜ!
なぜ、間違えたのか。
社内SEまで務めたぼくが。。。
皆さんがぼくみたいに悪徳業者を選ばないように、経験談を交えて記事にしました。
突然パソコンが故障
久しぶりにVAIOを起動して作業をしていると、パチッとモニターが点灯しなくなりました。まさかの、これから使おうとしているタイミングで故障!?ハードディスクやメモリの交換なら自分でできるけど、さすがにモニターの修理はできません!
ジジッーと音がして、なんとなくインバーターの故障だと思われました。だって、スマホのライトでモニターを照らすせば、うっすらWindowsの画面が映っている。つまり、バックライトが点灯していないだけ。
ネットで修理業者を探した
「VAIO」&「修理」で検索。
検索連動広告にあったVAIOとキャンペーンの文字に惹かれて、クリックしてしまいました。
そこに自分のパソコンの機種があったから、「VAIOが得意?」とか「VAIOの修理経験が豊富!」なんて想像していました。今となっては、全て妄想だったみたいです。
後でわかったことですが、その少し下にはソニーストア公式の修理のご案内ページがあって、ここをクリックしていればトラブルには巻き込まれませんでしたね。
でも、既に購入から6年。
せっかくの5年延長サポートも切れているし、できるだけ安く修理したいですよね。
ただし、せめて修理体験談のひとつでも読んでおけばよかったと思うところ。
だから、
この記事を書きます。
お見積もり5秒
「バイオの旧機種から最新機種の全部品用意できます」
「4,980円均一」
※部品代を除く
広告の先には、すごく綺麗なページがあって、このような文言が大きく(小さく)書かれていましたよ。webに詳しい人なら聞いたことがあるかもしれませんが、このページは、ランディングページ(LP)と呼ばれるもの。つまり、集客用のページです。
そして気がつくと、概算見積もり依頼フォームに個人情報と故障の症状を入力していました。
入力を終えて送信すると、すぐに業者からメールが到着。
受信確認のお礼メールだと思って開くと、なんとそれは見積りメールでした!
早すぎ!
自動返信か!
しかも、書いてある内容は、ほぼランディングページと同じもの。
[aside type=”boader”]
- 概算金額である
- 作業料金:4,980円
- 部品代が別途必要
- 部品料金:3,900円~ ※破損部位による
[/aside]
症状をまったく反映していない概算金額で、まったく見積もりになっていない。
パソコンの症状に合わせて修理代を見積もってないんです。
完全に、自動的に返信しているだけですね。
どう考えても怪しいんですよ。
立ち止まってください。
こんな見積もり、ありませんよ。
大丈夫!
まだ引き返せます!
なのに、修理の申し込みフォームに入力してしまいました。。。
「明後日までに送る予定」
「即日発送する」を選ばなかったのは、心のどこかで考える時間が欲しかったから。
突然の電話とPC発送の催促
それから1時間も経たずに、スマホにどこからか着信しました。
見慣れない番号。
電話を取ると、スマホのスピーカーから、悪徳業者であることを感じさせない透き通った女性の声。
今後のご案内だという。
ぶっちゃけ、丁寧でした。
でも、気になったのがこの言葉。
「いつごろ発送される予定ですか?」
言葉のイントネーションに、早く送ってくださいというニュアンスが伝わってきました。
つまり、
「早く人質をよこせ!」
ということ。
はい、皆さんはガチャ切りしてください。
ぼくのように、
「帰宅したら送ります!」
とは絶対に言わないでください!(笑)
笑うしかありません。
この電話オペレーターは悪魔です。
ガチャ切りが正解。
さっそくパソコンを発送してしまった
その日は雨が降っていました。
なのに、電話で「送ります」と言ってしまった手前、わざわざコンビニまで持っていって発送してしまったんです。申し込み後の手続きの案内なんてオンラインで済ませられるのに、わざわざ電話をよこして約束させて、間違いなくすぐに発送するように心理的にプレッシャーをかけられていたのです。
約束は守らねば。
遅れてはならない。
そんな人間の良心を利用したテクニック。
クソッタレ。
あっ、すいません、つい。
怪しいと感じたら、
送らなくていいですから!
怪しいと感じた時点で放置!
パソコンという弱みを握られてはダメ!
申し込んでも、
電話で約束をしても、
不審な点があれば、
とことん確認。
パソコンさえ送らなければ、
被害に遭うことはないんです。
発送後、診断コースを入力
到着したことを知らせるメールが届き、診断のコースを選択するよう案内がありました。実はここまで、すでに2度も個人情報やパソコンの不具合の症状を入力していましたが、またしても入力しろとのこと。
[box class=”yellow_box” title=”何度も入力させられる個人情報と症状”]
- 見積もり依頼のとき
- 修理の申し込みのとき
- 修理コースを選択するとき
[/box]
情報が管理されておらず、顧客のことは何も考えていないことが伺えます。この業者にとっての本番は、パソコンが手元に届いてからなんですよ。
しかも、診断コースを選択するページに進むと、「お金を支払うことの同意」がやたらとあるという、恐怖を感じるものになっていました。この同意の法的有効性の有無は別として、この同意を盾にして支払いを求めてくるのは間違いありません。
それでも、当時のぼくの脳には、不審感を抱きつつも「きっと支払いで揉める客が多いんだろう」と受け取ってしまいました。パソコンという人質はすでに相手の元。入力するしかない気持ちもありました。もやもやしつつも、とにかく早く修理を終わらせて、すっきりしよう。
入力を終え、送信しました。
有料診断コースへ誘導するメールが届く
ところが、間髪入れずにメールが届きました。タイミング的にこれも自動送信に違いない。
「パソコン診断安心コースの再考をお願いしております。」とのこと。
イラネ。
[aside type=”boader”]
要約すると次の通り
有料診断コースに申し込むと、しっかりパソコンを確認するから部品代が安くなったり、正確な修理料金の提示ができる。しかも延長保証。
反面、申し込まないと、追加料金が発生する場合があって、追加料金を支払わずキャンセルする場合に全額返金ができない。また、正確な診断ができないから、部品代が割高になる場合があるとか。
また、メーカー以外は実機からしか正確なことがわからないから、修理の際に追加費用が必要になったり、必要以上の時間や費用ややりとりが生じたりするそうです。
[/aside]
不安を煽ってきますね〜。
実機送ってるのにね〜。
2,623文字のメールで有料診断コースを使わない場合の危険を伝えてきました。
あ〜、これは完全にアウトですね。
で、ここで目が覚めました。
口コミを検索して悪評発見
業者の名前で検索すると、悪評が出てくる。
- 起動しないので再度送ったら、ハードディスクが抜かれた。
- ウェブサイトの表記とかけ離れた見積もりを提示された。
- 中古のハードディスクに交換された。
- 修理されず、バッテリーが抜かれて帰ってきた。
顔面蒼白。
さらに、
- 消費者団体がウェブサイトの表記について是正の申し入れをしている。
- NPOからも是正の申入書を送付している。
終わった。
探せば探すほど、悪い評判が出てくる。
twitterにもたくさん。
キャンセルの返事がない
見積もりの段階でパソコンを壊されてはたまらないので、速攻でキャンセルの申し入れをしました。2度も。それでも返事が届くまで、土日を挟んで5日。しかしその返事は、メルアドが申し込み当初と違うから受け付けられないという信じられないもの。確かにね、申し込みの際には受信専用に使っているメルアドを入力していたから、今回送信したキャンセルメールのメルアドは違いますよ。でも、当初のメルアドも本文に併記しているし、氏名・住所も明記して、さらに業者から届いた診断コースの確認メールを引用して返信してるっつーの。
さらには、自動的にシステムから送ってるように見せかけて、こちらから送信した2通のメールのそれぞれ一部を転記しているし。どうみたってスタッフが作業して送信してるでしょ。「システムから配信しています」ってなに?
やむなく、メルアド変更の手続き(入力フォームがある)をして、再びキャンセルメールを送信。
修理に使われる部品のスペックがひどい
最初にキャンセルメールを送ってから7日後、キャンセルが受け付けられる前に、最終見積もりのメールが届きました。
17,688円。
高くはないが、
交換部品のスペックに絶句。
[aside type=”boader”]
- 納期40日
- B級品(つまり中古)
- 傷あり
- 擦れた傷あり
- 汚れあり
- ドット抜けあり
- 解像度指定不可
[/aside]
ちょっと待って、どんなディスプレイに交換するのよ。これじゃ、修理になってないでしょ!!ボロボロのディスプレイに交換してどうするの?インバーターの部品だけ交換すればいいんだよ。
元のディスプレイとスペックが同じかどうか不明ですが、新品を使うにはさらに12,900円が必要になるとのこと。安いからって、ボロボロのディスプレイに交換する人なんかいるのか?
少しして、もう一通のメールが届きました。
キャンセルを受け付けたという。
見積もり前のキャンセルは送料プラス3,000円だが、見積もりが出た後にキャンセルを受け付けたので送料だけでOKとのこと。
時計は14時50分。
すぐにスマホから送料を振り込みました。
すると、翌日には着金が確認され、無事にキャンセルが受け付けられました。
でも、返却のための発送予定日は2週間後。
繁忙期は最大2週間を目安とあったが、いまが繁忙期なのかという疑問が残る。
1週間が経過し、もちろんパソコンは帰ってきていない。無傷で帰ってくるのだろうか。
ついにパソコンが返却される
[colwrap]
[col2][/col2]
[col2][/col2]
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12月12日、やっとパソコンが戻ってきました。テープ1本でちぎれかけていましたが、開梱した形跡があるも中身は無事。噂のハードディスクも抜かれていませんでした。
11月19日に申し込みと発送をしてから返却まで、その間23日。
送料と時間を無駄にし、不安を感じただけでした。
被害に遭わないために(まとめ)
パソコンを発送してから約20日、未だパソコンは返却されていません。「繁忙期は最大2週間」と明記されていたとはいえ、翌日には日本中たいていの地域に届く時代にどうなっているんでしょうか。データが入った大事なパソコンです。被害に逢って辛い思いをしないようにするためのポイントをまとめました。
[box class=”yellow_box” title=”悪徳業者の被害に遭わないために気をつける5ケ条”]
- パソコンを購入するときには延長サポートに加入しよう(できれば直販に多いメーカーオプションに)
- 修理はメーカーのオフィシャルサポートを利用しよう(ブランドの評判を維持するために、基本的に悪意のあることはしない。)
- あきらめて新品を購入しよう(パソコンは安くなりました)
- 修理業者の口コミを確認しよう(悪徳業者を避けるために必須でした)
- オフィシャル以外なら対面の修理ショップに持ち込もう(相手が逃げることはない)
[/box]
ぼくの場合は延長サポートが切れてしますが、メーカーに修理を依頼してみます。修理費が高かったり、パソコンが無傷で戻らない場合は購入するしかありません。しかし、パソコンは5年も経てばすっかり旧世代です。Windows7の「メインストリームサポート」はすでに2015年1月13日(アメリカ時間)に終わっていて、安全のために欠かせない「セキュリティアップデート」も、オリンピック前の2020年1月14日に終わってしまいます。
ぼくのVAIOもWindows7なので、2020年以降は使えないことを考えると、いずれにしても購入を考えないと。
いま販売されているノートパソコンなら、当時より軽くてディスプレイが高精細になっていたり、最新のスマホやMacにも搭載されるなどして近年のパソコンの標準装備となったUSBタイプC端子(拡張性が抜群!)が付いていたりするので、故障したら思い切って買い替えもいいですよね。
▼保守がしっかりあって、価格とスペック、デザインまで考慮するとこの3メーカーはおすすめできます。
ASUS(台湾) |
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HP(USA) |
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VAIO(日本) |
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パソコンが戻りましたので、さらに詳細を加筆する予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
具体的なことが知りたい方は、コメントでその旨をお知らせくださいね。